2021年1月28日に発売された益田ミリさんの新刊『スナックキズツキ』を、早速購入しました
これは、さらりと読める本。
だけど、すこし、胸がチクリ。
本の帯には、こんな言葉が添えられているんですけれど。
キズついて、
キズつけて、
生きてる。
これは、ほんとうに、そのとおりの本。
読み終わったあとに(というか、中盤でもすでに)胸がざわついてしまう本です。
自分の足元も、たいせつに見つめ直すいいきっかけになる、と言いますか・・・。
一方的にキズつけられたと思っていても、自分だって、どこかのだれかをキズつけている。
益田ミリ【スナックキズツキ】感想レビュー
(2021年1月28日 発行)
スナックキズツキは、こちらで試し読みができます。
ナカタさん『スナックキズツキ』益田ミリ著 -マガジンハウスの本-
アダチさん『スナックキズツキ』よりナカタさん-文春オンライン-
このお試し読みを読んでみて、うっかりすぐに買ってしまったのはわたしです・・・。
仕事も恋も少しずつ疲れてしまっている『ナカタさん』
わたしは『ナカタさん』でもあり、「あなたお名前は?」と聞いてしまう『アダチさん』でもある人間です・・・。
本当は、聞きたくないのだけれど・・・
でも、聞いたことがあります。
「あなたお名前は?」
ドキっとしてしまいました。
威嚇(いかく)です。確実に。
わたしは『あなた』に傷つけられたから、やり返したいと思ってしまったのです・・・。
ごめんなさい・・・。
顔がみえない相手には、人は強い気持ちになってしまうらしい。
あおり運転とか、ね。まさに。
だめだめ、気をつけないと。
『相手』がいるということを、気をつけて、日常からこころがけていないと。
わたしと同じように、「あなたお名前は?」と聞いてしまう人に、読んでみて欲しい1冊です。
いろいろな目線があって、いろいろな人の人生が、『そっち側』にもあるということを今一度、再確認しなければ。
『ナカタさん』の次の『アダチさん』
『ナカタさん』の次には『アダチさん』が出てくるのですが、このアダチさんは、「あなたお名前は?」と聞いてきた、後ろ姿だけの女性。
そこから、アダチさん目線のお話がはじまります。
『スナックキズツキ』は、オムニバス形式でものがたりが進んでいく漫画なのです。
ナカタさんからみたアダチさんは、一方的に攻撃をしてくる人。
だけど、そのアダチさんも、どこからか理不尽な攻撃をうけていて、その傷をそっと我慢して、閉じ込めている人。
おもしろいのです・・・。
この、連鎖して、つながり合って、絡み合っていく様子が、読んでいて、おもしろい。
人は、攻撃をする。
だけど、後悔もする。
その2つのうち、伝わるのはいつも、攻撃だけ。
だから少しずつ、違和感がうまれて、もやもやを感じる・・・。
そうそう。
この漫画を最後まで読んでみて、日々疲れてしまう自分のために、おいしいホットココアを作りたくなってしまったとしたら、『あなた』は わたしと同類です。
益田ミリさんのイラストって、なぜだかほっこりさせられます。