益田ミリさんの代表作のひとつ、『すーちゃん』
毎日、どことなく満たされない。
具体的なことはわからないけれど、今の自分よりももう少しだけ、いい自分になりたい。
そんなもやもやを感じながら、今日もお仕事に行く女性。
それが『すーちゃん』
愛読書は『クウネル』
ナチュラルライフに憧れるカフェ店員、すーちゃんの日常をのぞきみることで、ぼんやりとしたもやもやの正体に少しだけ気付くきっかけになったらいいな。
日々、お仕事と家との往復で、少しずつ疲弊している、20代後半~30代の女性に読んでほしい1冊です。
『すーちゃん』は、2006年に発売されている漫画で、少し前のものなのですが、今読んでもとてもおもしろくて、時折、チクリと心の隙間に入り込んでくる感じがお気に入り。
大人の女性が感じる、「うまく言葉に出来ないけれど、なんだかもやもやする」の原因を、噛み砕いて、わかりやすく教えてもらっているような感覚になるんです。
益田ミリ【すーちゃん】感想レビュー
表紙がね、ちょっとさえないんですけど(笑)
でもすーちゃん自体、さえてるわけじゃないから(失礼)、こんな感じの方がしっくりとくるのかな?
30代、独身、彼氏なし、一人暮らし。
真面目にお仕事をして、気の合う友だちだっているけれど、華のある生活をおくっているわけでもない。
おしゃれな部屋に憧れはあるけれど、実際の部屋にあるのはファンシーなテーブルと生活感たっぷりの座椅子。
だけど、悔しいことに、それがしっくりきている日々。
結婚前のわたしにも、共通するところはある感じ。
すーちゃんは、空気を読まないおしゃべりな人や、関係ないのに聞きたがりの人が嫌い。
自分をしっかりともっているつもりだけど、これは言い方を変えると『頑固』なのかもしれない。
優しくない性格なのかもしれない。
優しい性格の人になりたい・・・。
そんなことで、また悶々。
だけど、すーちゃんの良いところは、傷ついたときに、逃げずに向き合って、きちんと傷つくことができるところ。
心だけが焦ってしまって、いそいで友だちに「聞いて!」って電話をしてしまうことは、よくないことだと思えるすーちゃんの考え方がとても好き。
「自分探しってなんだよ」
「世界にたったひとりしかいない本物の自分を自分が探してどうすんの」
「それじゃあ自分がかわいそうだよ」
うまくいかないことが重なって、家で爆発して泣いてしまう日もあるけれど、そんな日は誰にだってきっとあって、そんなすーちゃんが見れるから、この本は意味のある1冊なんだと思うのです。
結婚している40歳のわたしが読んでも、「わかる、わかる」の連続の本。
『すーちゃん』は漫画本なので、すらすらと読めます。
20代後半から30代の悩めるシングル女性たちに捧げる1冊です。
すーちゃんってどんな女性?
名字「森本」
職場:カフェ(社員3年目だけどnot高給)
愛読書:クウネル
- 職場の中田マネージャーが気になっている
- ブリジット・ジョーンズにあこがれて日記をはじめてみた
- ナチュラルライフにあこがれて玄米にかえてみた
- 恋愛攻略本をつい買ってしまうこともある
バイトの若い女の子たちに手をやきつつも、その若さをまぶしいとも思うすーちゃん。
実家は鹿児島?
さつまあげが届くシーンあり
仲良しの友達「まいちゃん」が34歳なので、すーちゃんも34歳なのかな?
そんなまいちゃん(独身)は、美人だけど多分、不倫をしている。
友達のまいちゃんにも共感できるところは多い
漫画の中にたくさん出てくる、友達のまいちゃんは美人さん。
美人で得をすることも多いけれど、それだけではもう通用しない年齢になってきていることを、まいちゃんはよくわかっている。
どうでもいいことで、気まぐれに小さな権力を示してくる職場の上司もうっとうしい。
営業に異動になったとき、本当はやめようと思ったのだけれど、
「でも、この会社辞めたら、新しいとこ探すの大変な年齢だし」
「がんばるしかない」
だよね・・・。
そういう年齢を気にする気持ちは、わたしにもわかる・・・。
美人さんには美人さんの苦労がある。
まいちゃんの日々にも、悩みはいろいろとあるんです。
『すーちゃん』は、2006年刊行の本ではあるけれど、令和の今読んでも、「あるある」「わかるわかる」がとまらない本です。
とても読みやすい漫画本なので、日々のもやもやが晴れないときに、一度お試しで読んでみてほしい1冊です。
すーちゃんシリーズ(その他)
2作目は『結婚しなくていいですか。すーちゃんの明日』
益田ミリさんのイラストって、なぜだかほっこりさせられます。