樋口一葉の「たけくらべ」を初めて読んでみました。
きっかけは、NHKのグレーテルのかまどの『樋口一葉の駄菓子屋』
基本的には著名人にゆかりのあるお菓子を再現してつくる、という番組なのですが、このグレーテルのかまどの中で、ちらりとだけ、樋口一葉のたけくらべが紹介されていたので、ちょっとどんな内容なのかな?と気になってしまったのです。
でもでも、これは面白かったです!
読んでよかった作品でした。
明治の小説を、令和の今読んでもおもしろいって、これはすごいこと。
そら樋口さん、五千円札にもなるわ、って話です。
樋口一葉「たけくらべ」は無料で読めます
樋口一葉のたけくらべは、ありがたいことに、青空文庫で無料で読めます。
でもこれ、原文のままの状態なんですよね。
明治時代の小説を原文で・・・っていうのは、なかなかハードルが高いです。
言葉を読むのに精一杯になってしまうので、なかなか内容まで入ってきません。
なので、わたしはこっちの本で読みました。
この現代語訳がかなり読みやすくて、わたしは一気に読んじゃった。
樋口一葉「たけくらべ」の感想
これはもう、シンプルに面白かったです。
明治時代のお話だし、わたしは樋口一葉の小説をひとつも読んだことがないし、そもそもどんな女性なのか、どんな文章を書く人なのか、そういうものをなにもわからない状態で読んだのですが・・・
実際にたけくらべを読み終えてみると・・・
なるほど・・・この視点はすごい、と思える内容。
視点も興味深いし、そこからの切り取り方もおもしろい。
いい意味で、女性ならではの目線。
ストーリーの中に登場するのは、今でいう中学生くらいの男が3人に、女が1人。
時代こそ明治で、舞台こそ吉原(歓楽街)で描かれているものの、この内容は今の令和の中学生にもしっかりと共感できそうなもので、わたしも中学生のころを思い出すと、思い当たる節がかなりある。
子どもから大人になる、なんとなく気恥ずかしいあの気持ち。
からだもこころも勝手にうつり変わってゆく、あのなんともいえない複雑な気持ち。
あ、そうだ、これは「中学生日記」にも似ている感じ。
これはねぇ、読んだことがなかったら、一度読んでみると良いと思う。
わたしはおすすめしたい1冊。
五千円札に描かれている樋口一葉ってどんな人?って聞かれた時に、たけくらべを読んでみたことで、わたしはかなり答えやすくなりました。
繊細な心理描写をとてもうまく書き上げる、明治の天才文豪の作品でした。
『樋口一葉の駄菓子屋』で紹介された千駄木の駄菓子屋さん
樋口一葉に興味を持ったきっかけのグレーテルのかまどでは、『樋口一葉の駄菓子屋』の放送回で、とある駄菓子屋さんを紹介していました。
東京の千駄木にある駄菓子屋さん↓↓
樋口一葉は、生まれた家は裕福だったものの、早くに父親がなくなり、その後は貧しい暮らしをしていたそう。
残された家族を養っていくために樋口一葉自身が駄菓子屋をしていたこともあり、そんな由来からこの駄菓子屋さんが紹介されていたのです。
天才でもあり、苦労人でもあり。
樋口一葉の他の小説もぜひぜひ読んでみたくなりました。