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益田ミリ【きみの隣りで】の『きみ』って誰?をふと考える

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かなこ

益田ミリさんの人気マンガ『週末、森で』の続きのお話が『きみの隣りで』です。

このシリーズは今のところ、この2冊だけかな。

『週末、森で』は続編が出そうな予感ぷんぷんの終わり方だったので、予想通りの続編は嬉しい限り♡

・・・で、わたし、読み終えて、思ったのですけれど。

タイトルの『きみの隣りで』の『きみ』って、えっと、つまりは、誰のことなのかしら?

きみの隣りで 益田ミリ

早川さん?
それともほかの誰かのこと?

※以下、ネタバレ的な内容があります。
少し大きなネタバレなので、この先を読む方は注意してくださいね。

益田ミリ『きみの隣りで』あらすじ

前作の『週末、森で』から、実は結構、月日が経っている今作の『きみの隣りで』

なんと、早川さんに、子どもがいます。

かなこ

こ、こどもーー!!

お話の冒頭から、あまりにナチュラルに登場するものだから、ナチュラルに早川さんの養子かと思ったくらい。

早川さんなら養子をとっていても違和感がないように思うのってわたしだけ?

気になることややりたいことに、壁を作らない女性に思えるので。

「そうだ、養子、とろう」

・・・となっていても、違和感、ゼロ。

(もちろん、きちんとした責任感を持って)

でも、読み進めていくと分かってくるのですが、この子どもは間違いなく早川さんの実子です。

すごく自然に『おかあさん』をしている早川さん。

そんな早川さんと、子どもと、

前作からのメンバーのマユミちゃんとせっちゃん。

プラス、早川さんの夫さんも、これまたナチュラルに出てきます。

ナチュラル祭りですよ。

日本人お得意の、順序立てて細かく考え出すと、結構大きく思えるこの環境の変化も、益田ミリさんはスーパーナチュラルに日常の一コマとして描き上げています。

かなこ

人なんて、明日、明後日にはどんなふうになっているのかなんて、到底わからないもんね。

生活がくるんと一回りひっくり返るような出会いも、変化も、あって当然。

益田ミリ『きみの隣りで』わたしの感想

かなこ

優しいお話だな~というのが、わたしが思う、全体的な感想。

そして、この本が、なぜだか一部の読者にはウケが悪いというのは、うーん、夫や子どもが、ごく自然に出てくるお話だからかなぁ?というざっくりとした印象を持ちました。

そうなんです、なぜだか、『きみの隣りで』は、一部の読者さんからは辛口評価をつけられているんです。

辛口評価に共感、というわけではないけれど、その要素はなんとなく感じられる・・・ような、感じられないような?

益田ミリさんといえば、代表作の『すーちゃん』があって、

すーちゃんと言えば、等身大の年収、生活水準、独身女性ならではのお悩み、将来の考え方、交友関係などなど。

あるある、わかるわかる、と首を縦に振りながら読んでしまうお話が多かったのに、

『きみの隣りで』の早川さんは、そことは違うステージに立ってしまった女性で、既婚・子持ち、そして職業は翻訳家、海外旅行の常連、と、益田ミリさんを昔から慕う読者層とは、少し違う価値観で描かれてしまったが故に、

「益田ミリさんのこんなマンガが読みたいんじゃない!」という読者さんとのすれ違いがおこってしまったのではないかな?と。

いや、でも。

でもでも。

でもね。

益田ミリさんの指先から生まれてくる作品に、そういうお話があっても、いいと思うの!

益田ミリさんがかくマンガだからこうあるべき、需要はここ、っていうのは、そんなものは幻でいいと思います。

いろんな価値観があっていいし、いろんな益田ミリさんがいてもいい。

独身のすーちゃんがいてもいいし、既婚者の早川さんがいてもいい。

2016年に出版された本ですが、2022年の今の言葉で言うのなら・・・多様性、ですね。

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『きみの隣りで』の『きみ』って誰なの?

一冊、一通り、読み終えまして。

ふと、表紙に戻り。

タイトルに目をやって、思ったこと。

『きみの隣りで』の『きみ』って、あれ?これ、誰のことだろう?

前作のメインの登場人物ははっきりと3人!ってわかりやすかったんだけど。

  • 早川さん
  • マユミちゃん
  • せっちゃん

今回の『きみの隣りで』は、そこに、夫・子ども・優しい木まで加わっていて、ちょっと登場人物が多いんですよね。

『きみ』は、やっぱりセリフが一番多い早川さん?

でも、なんとなくしっくりこない・・・。

私の感覚では『きみ』は、『優しい木』か『太郎少年』(早川さんの子ども)なんですよね。

  • みんなが心を寄せる『優しい木』
  • みんなに見守られて育つ、まだ小さな『太郎少年』

うーーーん、『きみ』はどっち?

ミリさんったら、悩ましいタイトルをつけるなぁ~

でも、「子どもは生きがいではない」という早川さんの芯のある台詞を重んじて、ここでは『優しい木』ということにしておこうかな。

優しい木(きみ)の隣りで、みんなが安らいで、みんなが笑顔になるお話、ということに・・・。

『週末、森で』
『きみの隣りで』

読みたかった2冊が、やっと読めました~

さて、次は何を読もうかな。

↓ 前作『週末、森で』の感想レビュー

かなこ

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