益田ミリさんの代表作『僕の姉ちゃん』シリーズ5冊を、このたび一気に読んでみました。
ふんふん、なるほど~、な、ちょい毒コミックエッセイでした(笑)
益田ミリさん=すーちゃんのイメージを持っている人が何の知識もなく読んだら、
「えっ、これ、益田ミリ?」
っておどろくと思います。
そんな感じの『僕の姉ちゃん』シリーズレビュー、いきますよー
※2024年追記
6冊目も出たので追加で読んだよー
『すーちゃん』シリーズ同様、『僕の姉ちゃん』シリーズも、タイトルだけだと順番がわかりにくかったので(どれが2番目でどれが3番目?状態)レビューがてら、出版順にも並べておきました。
この記事は、『僕の姉ちゃん』の、それぞれのあらすじだけさらりと読みたい方向きの、お手軽さらさらレビューです。
Contents
【1作目】僕の姉ちゃん
発売日:2011/9/15
まったくの予備知識なしで、いつも通りに益田ミリワールドを楽しもうと思って読み出したら、「えっ、えっ!?」の連続だった第1作目。
すーちゃんとぜんぜん違う!
ふんわりとしつつも心の深いところにしっかりと芯を持って日々生きているすーちゃんとは違って、この、僕の姉ちゃん(名前:ちはる)は、女の中にある見せたくない女の部分をグイングインに出してくる女性で、セリフのひとつひとつが刺々しくて攻撃的。
良く言えば「シュール」とも言うのかな・・・。
上から目線の発言も遠慮なく繰り出してくるので、本当に最初は、「おおおおぉぉ・・・」と、読みながらも、その毒々しさにお腹がいっぱいになりました。
あまりの衝撃に、世間の評判ってどうなんだろう・・・と思ってアマゾンレビューを見てみたら(上の【Amazonで見る】から見れますよ)、やっぱりそう思っている人も多い!
私自身には弟がいないから分からないけれど、弟がいる姉ってこんなにも強いもの?
これは私にとっては、ちょっとした衝撃作でした。
【登場人物】
白井ちはる
白井順平
1作目で好きなお話
・読書
「収納法の本は、癒やし本」
「ダイエット本も癒やし本」
この台詞は好きでした。
なんだか可愛くて♡
【2作目】続・僕の姉ちゃん
発売日:2015/11/19
1作目でどしーん!と毒への免疫が出来てきていたので、2作目は案外スムーズに読んでいけました。
(それでも強気なお姉さま節は健在だったけど)
2作目で好きなお話
・呼吸の一部
「女子にとっての「かわいい」は、もはや言葉ではないからね。
呼吸の一部。
言わないと死ぬんだよ」
この発想はおもしろいよね。
なんとなく納得もできる感じかな。
私も呼吸のように「かわいい」言っちゃうからな~(笑)
【3作目】やっぱり、僕の姉ちゃん
発売日:2018/4/5
3作目まできてやっと、ちはるのちょっとした失敗や弱い部分も見せだしてきて、あれ?今までとちょっと違うな?と感じた1冊。
心境の変化か、読者へのメリハリか・・・。
1作目は本当に驚くけれど、益田ミリ作品が好きな人ならとりあえずこの3作目までは読んでみると、ちはるへの印象も変わるかもしれません。
3作目で好きなお話
・女子の部屋
「部屋に入れてくれただけでうれしい」
女の子の部屋にはじめて入れてもらった時の第一声はこれだよねというお話。
部屋の中、意外ときれいだね、とか言語道断なんですよ。
意外と、って何よ!(笑)
【4作目】僕の姉ちゃん的生活 明日は明日の甘いもの
発売日:2020/3/12
そしてなぜか毒を盛り返す4作目。
正論は正論なんだけど、弟(順平)へのアドバイスがクッションなしのド直球で、もはやそれを受け止める弟の方が健気な好青年に見えてきて、弟の高感度があがってしまう現象がおきてきます。
私は順平くん、いい男だと思うよ。
少なくとも、聞く力と共感力はすんごい。
4作目で好きなお話
・尽くす女
「わたしが生まれた朝にさ
若かったお父さんとお母さんがさ
カレシに尽くす女になりますように
なーんて
願ったと思うか?順平」
誰に尽くさなくても
世界から求められて生まれてきたのであーる
そうそう、4作目に、チラッとすーちゃんが出てくるよ!
作者さん、こういう連動遊び好きだな~
【5作目】進め!僕の姉ちゃん
発売日:2021/10/7
5作目はほどほどマイルドな仕上がり。
1作目、2作目は、自己主張の強い姉!っていう印象が強かったけれど、5作目くらいにもなると、自己主張というよりも、自己肯定感が強い姉っていうかたちにおさまってきた感じがします。
ちはるは、自分が生きているだけで価値のある存在だと理解しているから(横暴ではなくてこれはすごく素敵なことです)、その自分の考えや行動、発言にも逐一自信があって、もしそれが間違えていたら間違えたと気付いたときに修正すればいいや、とも思っていそうな、スペシャルポジティブシンキングな女性。
1作目は、益田ミリさん的にも新境地・サプライズな意味も込めて、ブラック多めな女性を描いていた気もするけれど、5作目にもなると、いつもの『益田ミリ感』もちょこちょこと出てきます。
なので、読んでいるこっちもほっとする感じ。
いろんなテイストのコミックを生み出したとしても、やっぱり作者さんの色というか、匂いというものは作品に徐々に出てくるものなんだと思います。
そしてそれはマンネリとか、単調とかいう悪い意味ではなくて、それも含めて、作品ごしにそれを描いている作者さんの空気が感じられるので、読者にとっても楽しい発見だとも思うのです。
5作目で好きなお話
・能力
「姉ちゃんの「自分が知ってる自分の能力」ってなによ」
「生まれてきてよかったって信じきれる能力!!」
「最強だわ」
【6冊目】そう来る?僕の姉ちゃん
発売日:2024/7/4
「聞く力」がすんごい順平。と、その姉のお話。
というスタンスでもはや読めます。笑
6作目で好きなお話
・才能
順平「『才能』ってなんなんだろ」
ちはる「飽きない力」
ほんそれよ!
僕の姉ちゃんシリーズは好き嫌いが分かれる漫画かも
上記の感想の通り、『僕の姉ちゃん』シリーズは、いい意味でも悪い意味でも、益田ミリさんっぽくない作風です。
益田ミリ=すーちゃんという考え方の人が読むと、もやもやっ・・・とします、おそらく。
私も正直、最初はちょっと、もやっとなりました。
(ちょっとだけね)
なので、予備知識なく突っ込むよりは、「そういうテイストの漫画なんだ」って思いながら読み始めることを私はおすすめします。
私も後で知ったのですが、僕の姉ちゃんは、益田ミリさん的にも、あえてブラックユーモアの路線で描いているらしく、海外ドラマの笑いのクセが強めな漫画を描きたかったみたいなので、そういう目線で楽しめる人が、サラリと読むのに向いているコミックかもね。
個人的には「セックス・アンド・ザ・シティ」の雰囲気(ノリ)で読むと、毒が薄まる感じがするのでおすすめです。
SATCは、昔、お友達におすすめされて観て、若いころのわたしが衝撃を受けた作品(笑)
僕の姉ちゃんシリーズ発行日一覧
1.僕の姉ちゃん(2011/09/15)
2.続・僕の姉ちゃん(2015/11/19)
3.やっぱり、僕の姉ちゃん(2018/04/05)
4.僕の姉ちゃん的生活(2020/03/12)
5.進め!僕の姉ちゃん(2021/10/07)
6.そう来る?僕の姉ちゃん(2024/7/4)
年々、発行ペースが上がってきている・・・。
僕の姉ちゃんはananで連載されている漫画らしいけれど、わたしはコミックでまとめ読み派なので、今回の一気読みは結構、疲れました。
僕の姉ちゃんは、一幕会話漫画(シットコムコミック)のジャンルにあたるみたいなんだけれど、一幕漫画って、一気に読むのって疲れるんですよね。
ほら、4コマ漫画を一気読みすると疲れる、あの感じです。
その点、すーちゃんとかスナックキズツキとかは読みやすいタイプの漫画だったので、そっちの人気が強いのもわかる気がします。
益田ミリさんのおすすめ漫画って、本当にたくさんありますね~
そんなわけで、今回は、僕の姉ちゃんの簡単総まとめレビューでした。
さぁ、次は何を読もうかな。
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益田ミリさん作品、お気に入りです。