今の益田ミリさんの雰囲気とはかなりちがう本なので、これは好みが分かれそう。
「益田ミリという人物を隅から隅まで知ってみたい」
という人向けの本で、
「益田ミリさんの今のイラストが好き」
な人向けではないかもしれません。
だけどおすすめできるポイントとしては、
「益田ミリさんにもこういう考え方や話し方、若い頃のちょっとやんちゃな言葉遣いの時代もあって、それが今の益田ミリさんにつながっているんだな」
という目線で楽しめるところ。
時代背景は古い本ですが、わたしは読んでよかったと思っています。
益田ミリ【OLはえらい】感想レビュー
まず、主人公がロバ。
ロバがOLをやっています。
益田ミリさんが実際に6年間、大阪でOLをしていたときの出来事をもとにかかれている4コママンガの本なのですが、その益田ミリさんの分身がロバです。
どういう発想からロバになったのか・・・
↑↑この疑問に関しては、本の一番最後の「あとがき」であきらかになるので、興味のある方は実際に本を読んでみてね。
(多分、わたしがここで理由をネタバレするよりもそのほうがしっくりきそう)
メインのキャラクターがロバとはいえ、全ページが4コママンガですすんでいくので、読みやすくはあります。
内容もしっかりとしたもので、一度でもOLの経験がある女性なら、
「あるある」
「わかるわかる」
と共感できる部分もそれなりに。
でも、この本が出版されたのがかなり前だということと、益田ミリさん自身がOLをしていたときのお話なので、そもそもの時代背景もかなり前だということで、令和の今の時代から考えたら、信じがたい光景もちらほらとあります。
- 会社の飲み会には絶対参加
- 社内で毎月積み立て貯金
- 「うちの会社にもとうとうパソコンがくるらしいよ!」
益田ミリ【OLはえらい】をおすすめしたい人
これは一度でもOLの経験のある人が読めば、いろいろとおもしろいと思える本かな、と思うので、
OL経験者さんにはおすすめです。
「うちの会社とはここが違う」
「ここは似てる」
「いやいや、今どきこんな風習ないよー」
などなど、社風以外にも、過去と今とを比べて笑える楽しみもありそう。
逆に、OL経験のない人で、
「OLさんの生活ってどんなもの?」
っていう感覚で読むと、ちょっと違うかな・・・という感じ。
どこを鵜呑みにして、どこを信じていいのか。
どこが脚色されているのかがわかりにくいと思います。
OLというものを知りたいわけじゃなくて、単純に益田ミリさんの本を読みたいのなら、もちろん「どうぞ、どうぞ」です。
若いころの本とはいえ、今の益田ミリさんの片鱗もそこここに見え隠れしているので、そういう意味ではとても興味深く、おもしろい1冊でした。